日本にあるいくつかの経済圏と比較すると、paypay経済圏の利用者はそれほど多くありません。
現時点ではサービスの名前が統一されていない上にポイントシステムも分散していてわかりにくいというのが、利用者が増えない大きな要因でしょう。
しかし2021年以降はpaypay経済圏を活用する人がグンと増える可能性があります。
LINEがヤフーと提携する予定になっているからです。
ヤフーが抱える300万社以上のクライアントとLINEが抱える350社以上のクライアントが一緒になれば、大規模なサービス基盤ができます。
両者の人気のサービスを残す方針のため、paypay経済圏に興味を抱く人が多くなるので、ぜひ早めに特徴を抑えておきましょう。
paypay経済圏の特徴について
- ヤフーが提供しているさまざまなジャンルのサービスが連携している経済圏
- 「ソフトバンク経済圏」「PayPay経済圏」とも呼ばれる
- サービスの利用に応じてポイントを獲得できる
- 利用できるサービスのジャンルが多いのでポイントが貯まりやすい
- 貯めたポイントは実店舗の加盟店でも利用する機会が多い
- 携帯電話、金融、ネット通販、電気・・・など生活に欠かせないサービスが多い
またソフトバンクグループの金融サービスをPayPayブランドに統一する予定もあります。
同じブランドで統一されることでpaypay経済圏のサービスだということがすぐにわかるようになります。
さらにPayPayは単なる決済アプリではなくアプリから生活に必要な様々なサービスをオンライン、オフライン共に利用できるスーパーアプリに進化する予定のため、今後はますますPayPayアプリの必要性が高まるでしょう。
様々な点が変更されるこの機会にポイントシステムもわかりやすく、またよりお得なポイントシステムに変更される可能性があります。
この記事では、2021年以降はぜひ注目したいpaypay経済圏を上手に活用する際に知っておきたい基礎知識を紹介します。
paypay経済圏とはどういうの?
paypay経済圏とはヤフーの様々な分野のサービスが連携している経済圏のことです。
paypay経済圏の他にソフトバンク経済圏やPayPay経済圏とも呼ばれています。
ヤフーが提供するサービスの数は多いため、paypay経済圏のサービスで生活をすることが可能です。
ヤフーのサービスを利用すればポイントが貯まるためお得に生活できます。
paypay経済圏には現時点で以下の2種類のポイントシステムがあります。
- Tポイント
- PayPayポイント
ヤフーショッピングやソフトバンクなどのpaypay経済圏のサービスを利用すれば上記のポイントが付与されます。
また利用するサービスの数が多いほどショッピングの際のポイントの還元率が高まるため、paypay経済圏のサービスを多く利用している人ほどお得に生活できるのです。
しかし今以上にポイントシステムが分散すると使いにくくなるため、ポイントシステムが統一される可能性もあります。
Tポイントの仕組み
Tポイントは以下のようなサービスを利用すると付与されます。
- ヤフーカード
- LOHACO(ヤフーIDでログインが必要)
- ソフトバンク
ヤフーカードやLOHACOの利用者には利用金額100円につき1ポイントのTポイントが、ソフトバンクの利用者には利用金額の0.5パーセントのTポイントが付与されます。
貯まったTポイントはpaypay経済圏のサービスで利用できる他、約94万店のTポイント加盟店でも利用することが可能です。
ただしポイントの付与率は変更されることもあります。
また2021年以降は変更されるサービスや追加されるサービスが多いため、その機会にポイントシステムが変更される可能性も否定できません。
PayPayポイントの仕組み
PayPayポイントとはPayPayを使うともらえるPayPayボーナスのことです。
基本の還元率は0.5パーセントとそれほど高くないものの、その月にPayPayの利用率が高いと翌月の還元率が高まるPayPayステップというものがあります。
例えばPayPayモールを利用する場合は最大で10パーセントまで還元率を高めることが可能です。
また定期的に開催されるキャンペーン中にサービスを利用すればより多くのポイントを獲得できます。
PayPayボーナスは期限がなく、好きなときにpaypay経済圏のサービスやPayPayの加盟店で利用できます。
ただし送金や出金ができないという点には注意が必要です。
なお2021年1月31日まではヤフーのサービスを利用すると獲得できるPayPayボーナスライトというポイントシステムがありましたが、2021年1月31日をもってPayPayボーナスライトの付与は終了し、期限のないPayPayボーナスに変更されています。
paypay経済圏を活用するメリット
paypay経済圏を活用するメリットは複数あります。
例えば次のようなメリットです。
- サービスの数が多い
- ポイントを獲得できるチャンスが多い
- ヤフーとPayPayを連携させられる
- 2021年以降は金融サービスが利用しやすくなる可能性が高い
以下で上記のメリットについて詳しく解説していきます。
利用できるサービスの数が多いからポイントを貯めやすい
paypay経済圏には100以上のサービスがあります。
そのためpaypay経済圏のサービスを利用して生活に必要なものを購入したり公共料金の支払いをしたり旅行の予約をしたりすることが可能です。
また2021年からは金融サービスがPayPayブランドに統一されるため、今まで以上に貯めたり借りたり増やしたりする際にpaypay経済圏の金融サービスを利用しやすくなります。
ポイント獲得のチャンスが多い
paypay経済圏のサービスの種類は豊富です。
またTポイントやPayPayの加盟店も多いためポイントを獲得するチャンスが多いです。
インターネットショップだけでなく日常的に利用する実店舗でもポイントを獲得できます。
以下でTポイントとPayPayの加盟店の数を見ていきましょう。
- Tポイント加盟店…94万店以上
- PayPay加盟店…280万店以上
そのためポイントが貯まりやすいのです。
またポイントを利用できるお店も多いため、貯めたポイントが無駄になることはありません。
ヤフーとpaypayを連携できるから使いやすい
ヤフーとPayPayを連携させられるのもpaypay経済圏の大きな特徴です。
ヤフーとPayPayを連携させれば、例えばヤフーのサービスを利用した際に獲得したポイントをPayPayで利用できるようになります。
逆にPayPay残高をヤフーショッピングなどで利用することも可能です。
2021年以降は金融サービスを利用しやすくなる
これまでもソフトバンク系列の金融サービスはありましたが、名前がバラバラだったためpaypay経済圏のサービスだということを知らなかったという人も少なくありません。
しかし金融サービスがPayPayブランドに統一されれば、一目でpaypay経済圏のサービスだということがわかるようになるでしょう。
2021年2月現在はすでにPayPayアプリから様々な金融サービスにアクセスできます。
サービス名は統一されていないもののアプリから気軽に金融サービスを利用できるようになっているため便利です。
含まれるサービス
ここからはpaypay経済圏のサービスを詳しく紹介していきます。
100を超えるサービスの中から特に人気のサービスを紹介する他、2021年以降に変更されるサービスについても解説していきます。
ソフトバンク
ソフトバンクは日本の主要なケータイブランドの中のひとつです。
ケータイ電話のみならずインターネットやでんき、ロボットなどの様々なサービスを展開しています。
ソフトバンクの利用者はポイントをザクザク貯められるチャンスが多い他、定期的に開催されるキャンペーンでも多くのポイントを獲得できます。
そのためpaypay経済圏を活用してお得に生活したいのならば、まずはケータイ会社を見直すと良いでしょう。
Yモバイル
ソフトバンクの回線を手頃な価格で利用できるのがYモバイルです。
料金プランはSプランとMプラン、Lプランに分かれており、最もデータ容量の多いLプランを選んだとしても3,000円台でケータイ電話を利用できます。
またヤフープレミアムのサービスも0円で利用でき、ヤフーショッピングやPayPayモールなどを利用した際は獲得ポイントが上乗せされます。
paypay経済圏のサービスで頻繁に開催されるキャンペーンでも、より多くのポイントを貯められるでしょう。
ただしソフトバンクと比較すると選べる機種は少ないです。
LINEMO(2021年3月17日開始予定)
2021年3月17日に開始予定の新しい通信サービスがLINEMO(ラインモ)です。
LINEを子会社化することからLINEMO(ラインモ)という名前になっています。
ソフトバンクやYモバイルとの大きな違いは実店舗がないという点です。
インターネットだけでやりとりをするため、シニア層にはあまり浸透しないかもしれません。
また5Gにも対応している他LINEの通信料も消費されないため、動画を見ることが多い若者やLINEを頻繁に使う人にとってはメリットが大きいでしょう。
おうちでんき
おうちでんきはソフトバンクが提供する一般家庭向けの電気料金プランです。
電気の使い勝手は今までと変わりませんが、ソフトバンクやYモバイルと一緒におうちでんきを利用することで毎月の電気代が次のように変わります。
- ソフトバンクの回線1回線につき毎月100円割引
- 電気代の従量料金が毎月1パーセント割引
また電気代をYahoo!JAPANカードで支払えば100円につき1ポイントのTポイントを獲得できます。
ソフトバンク光・ソフトバンクAir
ソフトバンク光はソフトバンクが提供するインターネット回線です。
月額基本料金は一般的な料金とあまり変わりませんが、ソフトバンクを使っている人は毎月ケータイ料金から1,000円割引されます。
ソフトバンクにはコンセントにさすだけでインターネットが使えるソフトバンクAirもあります。
月額基本料金は5,368円と安くありませんが、データ容量の制限がないため家の中ならば好きなだけインターネットを使うことが可能です。
ソフトバンクカード
ソフトバンクカードはVisaの加盟店で使えるプリペイドカードです。
カードを使う前にATMや専用アプリからチャージをする必要がありますが、事前に決めた金額だけ使いたいという人にはクレジットカードよりもプリペイドカードのほうが向いています。
ソフトバンクカードの特徴を以下にまとめました。
- ケータイ料金と合算できる
- IDに登録できる
- 200円につき1ポイントのTポイントが貯まる
paypay経済圏のTポイントが貯まるお店でソフトバンクカードを利用した場合はさらにポイントが上乗せされます。
Yahoo!JAPANカード(2021年秋以降にPayPayカードに変更予定)
Yahoo!JAPANカードは年会費無料のクレジットカードです。
100円につき1ポイントのTポイントが付与されます。
ヤフーショッピングやLOHACOでYahoo!JAPANカードを利用した場合は合計で3パーセントのTポイントが付与されるため、paypay経済圏を活用すればいつでもお得に買い物ができます。
クレジットカードを持ち歩くのが面倒だという場合はYahoo!JAPANカードをIDに登録しましょう。
Yahoo!JAPANカードは2021年秋頃にPayPayカードに変更になる予定のため、サービス内容やポイント付与率も一部変更される可能性があります。
ただし今のYahoo!JAPANカードも引き続き利用できる予定になっています。
PayPay
paypay経済圏のQRコード・バーコード決済と言えばPayPayです。
PayPayの利用者は2020年4月時点で3500万人を超え、日本人の約3割がPayPayを利用しているという計算になります。
そのためかPayPayを利用できるお店が多く、とりあえずPayPayをダウンロードしておけば支払いに困らないと言っても過言ではありません。
また公共料金の支払いにも利用できるケースが増えている他、アプリから宅配サービスやフリーマーケット、金融サービスなども利用できるようになっています。
ヤフーショッピング
3.4億品以上の商品をインターネット上で購入できるサイトがヤフーショッピングです。
通常ヤフーショッピングで買い物をすれば1パーセントのポイントがもらえますが、以下のようにpaypay経済圏のサービスを多く使っている人はより多くのポイントを獲得できます。
- ソフトバンクユーザー…Tポイントが5倍
- ヤフープレミアム会員…Tポイントが5倍
- Yahoo!JAPANカード利用…Tポイントが5倍
また毎月5のつく日は4倍のTポイントがもらえ、最大で16倍のTポイントを獲得できます。
定期的に行われるキャンペーンではPayPayボーナスも獲得できるため、paypay経済圏を活用すればポイントをザクザク貯められます。
PayPayモール
PayPayモールもまた数多くの商品が揃うショッピングサイトです。
ヤフーショッピングよりも大企業の商品が多く揃っているのが特徴です。
またPayPay残高やYahoo!JAPANカードを利用することでPayPayボーナスを多く受け取れるという特徴もあります。
ソフトバンクユーザーやYモバイルユーザー、PayPayモールが指定するサービスの利用頻度によっては最大22パーセントのPayPayボーナスを受け取ることが可能です。
LOHACO(ロハコ)
6,400点以上の日用品をお得に購入できるのがインターネットショッピングサイトのLOHACO(ロハコ)です。
3,300円以上購入すればいつでも送料が無料な上に、最短で翌日に商品が届きます。
LOHACO(ロハコ)で商品を購入した場合は100円につき1ポイントのTポイントがもらえますが、次のような場合はポイントが上乗せされます。
- Yahoo!JAPANカードでの支払い
- ソフトバンクユーザー・Yモバイルユーザー
- ヤフープレミアム会員
そのため上記に当てはまる場合はLOHACO(ロハコ)で日用品を購入すれば、キャンペーン中でなくてもポイントがザクザク貯まります。
PayPayフリマ
商品の売買を個人間で行えるのがPayPayフリマです。
PayPayアプリと連携させれば以下のような使い方ができます。
- PayPay残高やYahoo!JAPANカードで商品を購入
- 商品の売上金をPayPay残高にチャージ
PayPay残高やYahoo!JAPANカードで支払いをした場合は1パーセントのPayPayボーナスがもらえます。
ヤフーオークション
ヤフーオークションは個人でもオークションに参加できるサービスです。
ブランド物や手作りの品など、ありとあらゆるものを個人間で売買できます。
PayPayモールと特徴が似ていますが、ヤフープレミアム会員の場合はヤフーオークションで取引をすれば手数料を抑えられるためヤフーオークションを利用したほうが良いでしょう。
また支払い方法や配送方法もヤフーオークションのほうが豊富です。
PayPayで支払いをした場合はPayPayモールと同様に1パーセントのPayPayボーナスが付与されます。
ジャパンネット銀行(2021年秋以降にPayPay銀行に変更予定)
ジャパンネット銀行はオンライン専用のネット銀行です。
実店舗はありませんが提携しているコンビニエンスストアや銀行のATMからならば手数料0円で入出金ができるため不便に感じることはないでしょう。
またPayPayアプリを使えば簡単にPayPayにお金をチャージできるため、PayPayとジャパンネット銀行の口座をセットで開設すると便利です。
逆に貯まったTポイントをジャパンネット銀行の口座で現金化することも可能です。
2021年秋頃にはジャパンネット銀行という名前がPayPay銀行に変更されます。
PayPay証券
かつてはOneTapBUYという会社名でしたが、2021年の2月1日に会社名がPayPay証券に変わりました。
スマートフォンから簡単に株を購入できるのがPayPay証券の特徴です。
しかも1,000円から好きな銘柄を購入できるため、これまで株に縁がなかった若者も利用しやすいと感じるでしょう。
またPayPayを利用している場合はPayPayボーナスを運用することも可能です。
PayPay証券の口座を開設しなくてもPayPayアプリ内のボーナス運用のタブから簡単に投資体験ができます。
ヤフー保険(2021年秋以降にPayPay保険に変更予定)
インターネット上で生命保険や自動車保険などの様々な保険を比較できるサービスがヤフー保険です。
2021年にはPayPay保険に名前が変わります。
自分にとって必要な保険だけを組み合わせられるため、保険料を大幅に削減することも可能です。
ただし自由設計プランはヤフーウォレットに登録している人しか利用できません。
YJFX!(2021年秋以降にPayPayFX株式会社に変更予定)
paypay経済圏のFX会社で安心感があるということもあってか、総口座数は約40万と多いです。
YJFX!の大きな特徴は1000通貨単位から取引できるという点です。
1000通貨単位から取引できるのは一部の通貨ペアに限定されますが、少額から取引できるためFX初心者もFXにチャレンジしやすいでしょう。
取引量に応じて現金もしくはPayPayボーナスをもらえますが、現金よりもPayPayボーナスのほうが還元率は高いです。
2021年にはYJFX!からPayPayFX株式会社へと名前が変わります。
2021年2月現在はPayPayアプリからYJFX!にアクセスできませんが、PayPayFX株式会社に変更されればPayPayアプリからFX取引をできるようになる可能性もあります。
PayPay投信バランスライト・PayPay投信AIプラス
PayPay投信バランスライトとPayPay投信AIプラスは、中長期で資産を運用したい人向けの投資信託です。
PayPay投信バランスライトは2021年2月3日をもってYjamライトからPayPay投信バランスライトに、PayPay投信AIプラスは2021年2月10日をもってYjamプラスからPayPay投信AIプラスに名前が変わりました。
100円から投資信託を利用できる他信託報酬も抑えられているため、初心者も利用しやすいです。
安定した運用を望む場合はPayPay投信バランスライトを利用すると良いでしょう。
リスクがあっても資産を大きく増やしたいと思っている人はAIによるデータとヤフーが持つ膨大なデータを活用しながら資産を運用するPayPay投信AIプラスが向いています。
paypay経済圏を活用したほうが良い人
サービスが多いのは理解できたけれど、自分に向いているか否かはよくわからないという人もいるでしょう。
以下に当てはまる場合はpaypay経済圏を活用するのがおすすめです。
- LINEユーザー
- いくつものサービスを別々に管理するのが面倒
- 完成されている経済圏ではなく、これから成長する経済圏に注目している
LINEと統合した後はLINEユーザーもpaypay経済圏のサービスを利用すればポイントがザクザク貯まるということを実感するでしょう。
そのためLINEユーザーはpaypay経済圏の活用を前向きに考えたほうが良いです。
2021年2月現在でもすでにPayPayアプリで複数のサービスを管理できますが、今後はより多くのサービスを管理できるようになる可能性が高いため、自分が利用するサービスを管理する手間が省けます。
まとめ
paypay経済圏にはPayPayやケータイ電話サービスなどの、他社と差別化を図れるサービスがあります。
しかしpaypay経済圏全体のシステムには改善したほうが良い点もあります。
例えば獲得できるPayPayボーナスに上限があるという点です。
PayPayボーナスの還元率が高いキャンペーン中はザクザクポイントを貯められるチャンスですが、大体1カ月1,000円から5,000円までと上限が決まっています。
しかし2021年以降は次のような理由からポイントシステムも改善される可能性があります。
- LINEとヤフーが統合する
- PayPayに力を入れていく方針(まずは金融ブランドの統一化)
- LINEMO(ラインモ)などの新しいサービスが誕生する
ポイントシステムが改善される可能性があるだけでなく、paypay経済圏を活用する人も飛躍的に増えるでしょう。
特にLINEとヤフーが統合する時期はpaypay経済圏を活用し始める人が集中することが予想されます。