札幌の中心部を南北に貫く大動脈、国道5号「創成川通」。
テレビ北海道をはじめとする各メディアで「札幌『創成川通』トンネル整備へ 7月から交通規制」と報じられ、日頃からこのルートを利用するドライバーの間で緊張が高まっています。

この工事は札幌都心部と高速道路を地下トンネルで直結する「都心アクセス道路」の整備に伴うものです。
今回の記事では明日2026年7月1日(水)から開始される交通規制の具体的な場所や期間。
ネット上で混同されがちな「過去の規制との違い」さらには事業費が1.5倍に跳ね上がった理由や周辺の深刻な「多重渋滞リスク」まで、ドライバーや地域住民が絶対に知っておくべき情報を分かりやすく解説します。
2026年7月1日スタート!創成川通の交通規制エリアと期間
今回の交通規制は、都心アクセス道路の本体工事に向けた「仮設準備工事(ステップ2)」にあたります。
地下にトンネル(コンクリート製の箱型構造物=函渠)を構築するための準備として、地盤の改良や施工スペースの確保が行われます。

具体的な規制スケジュールと対象エリアは以下の通りです。
| 規制項目 | 詳細情報 |
|---|---|
| 規制開始日 | 2026年7月1日(水)から |
| 規制終了時期 | 2026年8月下旬(予定) |
| 対象となる工事 | 一般国道5号 札幌市「創成川通北9条東函渠設置工事」「北8条東函渠設置工事」 |
| 具体的なエリア | 創成川通の北8条東および北9条東付近 |
| 想定される規制内容 | 片側2車線のうち1車線を規制する「車線規制」、または対面通行規制など(現場の状況や天候等により変動) |
※これらは標準的な作業時の規制モデルです。当日の天候や作業の進捗により規制方法が変わる可能性があるため、現地の案内看板や誘導員の指示に従って走行してください。
ちなみに完成図はこんな感じみたいです。
【ファクトチェック】過去の新幹線工事(高さ規制・夜間通行止め)と何が違う?
創成川通の交通規制をネットで検索すると「高さ3.8mを超える車両の通行止め」や「夜間通行止め」といった情報が混在しており、混乱している方も多いのではないでしょうか。
ここで重要なファクトチェック(事実検証)を行います。
- JR北海道による新幹線工事(※すでに終了) 2024年10月〜2025年7月31日にかけて実施された「新幹線高架橋(創成川通Bv)架設工事」に伴うものです。この時は上空に橋桁を架けるため、長期間の「高さ3.8m規制」や「夜間通行止め」が行われましたが、こちらはすでに終了しています。
- 国土交通省(北海道開発局)による都心アクセス道路工事(※今回の工事) 2026年7月1日から本格化するのは、道路の「地下」にトンネルを掘るための準備工事です。施工主体も目的も、2025年までの新幹線工事とは全く異なる「新しいフェーズの工事」です。
「前にも長期規制があったのに、また始まるのか」と感じるかもしれませんが、今回は「上空(新幹線)」から「地下(高速直結トンネル)」へと、規制のバトンが渡された形になります。
なぜ作る?都心アクセス道路の驚くべき「3つのメリット」
「そもそも、なぜ創成川通に巨額の費用をかけて地下トンネルを作るのか?」という疑問を持つ方も少なくありません。
北海道開発局や札幌市が掲げる、完成後の主なメリットは以下の3点です。
- 移動時間が「15分⇒5分」に短縮! 現在、地上を走ると信号待ちや慢性的な渋滞により、札幌北ICから都心まで約15分かかっています。全長約4.8kmの地下トンネル(都心アクセス道路)が完成すれば、信号なしのノンストップで直結され、所要時間は約5分(10分の短縮)へと大幅に短縮されます。
- 冬の雪道でも「遅れない」定時性の確保 冬期間の創成川通は、積雪や吹雪によって運行スケジュールが極端に乱れます。全天候型の地下トンネルであれば、大雪の日でも物流トラックやバス、救急車などの緊急車両が遅延することなく安定して走行できます。
- 交通事故のリスクを大幅削減 現在の創成川通周辺は、慢性的な渋滞に起因する「追突事故」が全体の4割以上を占めています。先行して立体化(アンダーパス化)された創成トンネルの区間では、追突事故が7割も減少したというデータがあり、今回のトンネル整備でも高い安全効果が期待されています。
平面交差点の改良で十分という「反対派の意見」も
一方で「わずか10分足らずの時間短縮のために、巨額の予算を使うべきではない」という批判や反対の声もあります。
「創成川の河川断面を一部活用して右折専用レーンを増設する『平面交差点改良案』であれば、トンネル案の10分の1以下の予算(約85億〜170億円)で整備でき、工事中の交通規制も最小限に抑えられる」という対案も示されており、市議会や市民の間で議論が続いています。
総事業費が1.5倍「1,809億円」に!なぜここまで高騰したのか?
このプロジェクトが社会的な注目を集めているもう一つの理由が、事業費の急激な高騰です。
当初、この都心アクセス道路の総事業費は約1,200億円と見込まれていました。
しかし、2025年11月に開催された事業審議委員会において、最新の事業費が「約1,809億円」へと修正されたことが公表されました。当初の約1.5倍、金額にして609億円の増額です。
予算が膨らんだ2つの主因
北海道開発局の資料によると、この増額分のうち「413.7億円」は、世界的な原材料費の高騰(インフレ)や、建設業界における深刻な労働力不足(人件費の上昇)が原因であるとされています。
この増額により、公共事業の投資効率を示す「費用便益比(B/C)」は、これまでの「1.5」から、投資限界ラインに近い「1.1」へと低下しました。
それでも「1.0」をクリアしているため事業継続が決定されましたが、今後のさらなる財政負担を懸念する声は根強く存在します。
【超危険】西2丁目線の5年間閉鎖と重なる「多重渋滞リスク」
ドライバーが最も警戒すべきは、2026年7月からの創成川通の規制が、札幌駅周辺の他の大規模工事と完全に重なってしまう「多重規制問題」です。
現在、札幌駅周辺では「北海道新幹線の延伸工事」や「駅前再開発ビル群の建設」など、複数の大工事が同時に進行しています。
中でも致命的なのが、創成川通のすぐ西側を並行する「西2丁目線」の終日通行止めです。
- 西2丁目線の通行止め期間:2026年4月1日 〜 2031年3月末日(予定・5年間)
- 通行止め区間:北5条 〜 北7条間(車道のみ終日通行止め)
本来、創成川通が混雑した際の最大の逃げ道(迂回路)になるべき西2丁目線が、再開発によって丸ごと5年間も封鎖されています。
この状況下で創成川通の車線を減少させる今回の工事が始まると、周辺の生活道路まで巻き込んだ深刻な渋滞(グリッドロック現象)が発生するリスクが極めて高いと懸念されています。
まとめ これからの札幌都心ドライブで気をつけるべきこと
2026年7月1日からスタートする創成川通の交通規制は、単なる一時的な道路工事ではなく、札幌都心の未来をかけた巨大プロジェクトの本格的な幕開けを意味しています。
しばらくの間、札幌駅東側エリアおよび創成川通周辺は、非常に混雑しやすい状況が続きます。
渋滞を回避するための3つのアドバイス
- 事前のルート確認:札幌市が提供する「札幌駅周辺 工事交通規制情報ポータル」等を事前に確認し、リアルタイムの規制状況を把握する。
- 東側エリアの回避:南北の移動には、可能な限り東側の創成川通を避け、西側の石山通(国道230号)などの主要幹線への迂回を検討する。
- 時間にゆとりを持った行動:特に通勤・通学時間帯や、冬期間の凍結・積雪時には、普段以上の時間的余裕を持って出発する。
札幌の利便性を高めるための難工事ですが、施工期間中の社会的コストを抑えるためにも、私たちドライバー一人ひとりの賢い迂回と協力が不可欠です。
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